伊東知之彫刻展

2020.4.18-6.28 2020年4月18日(土)~6月28日(日)
COCONOアートプレイス
観覧料/大人300円 中学生以下無料
上記観覧料で、 瑛九 や池田満寿夫など「小コレクター運動」により市民が所有した貴重な絵画を展示している、オモヤギャラリーとハナレギャラリーも見ることができます。

立体と金属と “生”のはざまで

伊東知之は、大野市猪島の生まれである。小さい頃は暇さえあれば絵を描いていた子供で、小学生の時に児童画コンクールに入賞したことが励みとなり、美術への関心が深まっていったという。高校生の時、木彫作品で大野市美術展に入賞し、以後福井県美術展連続入賞、二科展連続入選など数々の受賞経歴を持つ。

学生時代はモデルを使った具象彫刻を制作していたが、その後徐々に抽象彫刻へと移行する。立体が持つ奥深さと金属の持つ魅力に惹かれながらも、伊東の制作の根底にあるのは一貫して「生」である。

生きるということは、楽しいことばかりではない。苦しいこと、悲しいこと、辛いこと、醜いこと。それらを全て内包し、混沌とした迷いの中で我々は生きていかなくてはならない。伊東は作品を通じて、人間の「生」を問い続けてきた。

本企画展では、伊東自身が迷い、苦しみ、楽しみながら生まれた作品たちを、見る者それぞれが自分の「生」と照らし合わせ、そこに存在する確かなひとつの哲学を各々に感じとっていただけたらと思います。

伊東 知之(いとう・ともゆき)

1963年: 福井県大野市生まれ
1988年: 福井大学教育学部美術科卒業
1991年: 筑波大学大学院芸術研究科修了
1992年: 筑波大学大学院芸術研究科研究生修了
現  在: 仁愛大学人間生活学部子ども教育学科教授
     福井県総合美術展審査員
     市美展ふくい審査員
     大野市美術展審査員
     こども絵画コンクール審査員

メッセージ

学生時代のモデルを使った具象彫刻から始まり、現在では、主に金属を使った抽象彫刻を制作しています。

具象彫刻も抽象彫刻もその立体性に魅力を感じています。彫刻は言うまでもなく、3次元の立体ですが、ただ3次元であるだけでは立体の魅力は生まれません。そこに立体感のある立体性があって初めて彫刻といえるように思います。そしてそれは、正面だけではなく、前後左右360°どこから見ても立体として美しくなければなりません。そこに立体の奥深さがあります。

また、彫刻は、我々と同じ3次元である立体だからこそ、そこには確かな存在感があります。実際に手でつかむこともできますし、触ることもできます。そこには周りの空間をも巻き込んで、がんとして存在するという強烈な存在感があるのです。それが立体である彫刻の魅力なのです。

さらに、彫刻には様々な素材があり、それぞれの素材によってその魅力も変わっていきます。木には木の特徴や魅力があり、金属には金属の魅力があります。金属の鋳造では、固くて冷たい金属が高い温度でどろどろに溶け、まるで液体のように姿を変えます。その溶けた金属が再び固くて冷たい金属に戻ったときには、前の金属とは思えないような表情を見せてくれます。原形である粘土や木の軟らかさや温かい表情を漂わせながら金属としての硬さを主張します。その一方で磨けばまた金属特有の輝きを見せてくれます。その違和感に鋳造の魅力を感じるのです。

そして、制作する上で常にテーマとしていることは、生ということです。生きるということは楽しいことばかりではありません。辛いことや悲しいこと、醜いこともあります。それらの全てを包含し、混沌とした人の生を意識して制作するように心がけています。

立体と金属と生のはざまで、迷いながら苦しみ、また楽しみながら苦悩した制作過程から生まれたこれらの作品は、いわばうんこのようなかたちたちなのです。

〇ギャラリートーク

作家・伊東知之氏と語らう
4月26日(日)
13:30〜(1時間程度) ※要観覧料

作品の制作過程や作品への想いなどをお話しいただきます。

〇ワークショップ

オリジナルペーパーウェイトを作ろう
5月10日(日)
①10:00〜 ②14:00〜
参加費: 500円 / 各回定員8名

いろいろな型に“すず”を流し込みオリジナルのペーパーウェイトを作ります。