キムラリサブロ一展 NYアトリエより

2018年7月29日(日)~10月14日(日)
COCONOアートプレイス 蔵ギャラリー
開館時間/9:00~17:00
観覧料/大人200円、中学生以下無料
※上記観覧料で、 瑛九 や池田満寿夫など「小コレクター運動」により市民が所有した貴重な絵画を展示している、オモヤギャラリーとハナレギャラリーも見ることができます。

リサの愛称で親しまれたキムラリサプロー(木村利三郎 I924~2014) は、世界中から芸術家が集まるニューヨークマンハッタンにアトリエを構え、「都市の構造と崩壊」をテーマに一貫した作品を創り続けた画家です。

高層ピル、張り巡らされた交通網、複雑化する通信網など、摩天楼マンハッタンでリサプローが目にした都市を形づくる様々な要素は、抽象化・記号化され、色鮮やかなスクリーンプリントによって表現されました。1975年頃からは都市が崩れ散る暗澹たる雰囲気を漂わせる作品が見られるようになり、巨大化する都市への警告を発信したとも思われます。

2001 年の“9.11 同時多発テロ事件”は、マンハッタン区のリサプローのアトリエからわずか1kmのところで起こりました。図らずしてこの出来事を予示していたかのような作品を描いていたリサプローですが、この悲劇をどんな思いで見ていたのでしょうか。

崩壊の先にある再生や発展、さらには宇宙にまでテーマを広げた作品も見られます。人間が創り出すものの危うさや儚さを描きながらも、人間だからこそ立ち向かえる未来への思い。リサプローの界観が垣間見れるような気がします。

今回の展覧会は、キムラリサプローの実弟である木村秀夫氏のご協力を得て、アトリエに残されていた多数の作品の中から25点をお借りし展示しています。幾何学的な線と面による緻密な構図と鮮やかな色彩、独自の装飾性などを見ていただくとともに、リサプローのメッセージを感じ取っていただけたらと思います。

○リサプローと大野とのつながり
キムラリサブローは幾度となく大野市を訪れており、市民有志による展覧会は実に5回も行われています。展覧会の度に大野を訪れ、人懐っこい笑顔とバイタリティあふれる行動で人々を魅了し、ファンを増やしていきました。

1964年に渡米したリサブローですが、その前年、勝山市で行われた日本小コレクターの会の帰りに大野へ来たことがきっかけで、大野とのつながりが生まれました。渡米後も、横浜や京都での個展に合わせ、大野市での展覧会が企画されました。2002年には、大野のまちを描いた作品「ふるさと」を制作しています。

キムラリサブロー
1924年 横須賀市に生まれる
1947年 神奈川師範学校(現:横浜国立大学)卒業
1954年 法政大学文学部哲学科卒業
1964年 渡米 ニューヨークに在住
1969年 ニューヨークロングアイランド大学にて個展
以降、アメリカ、ヨーロッバ各地、横浜、京都、大阪、名古屋など各都市で個展を開催
2014年 ニューヨークにて死去 享年89才

〈大野市での展覧会〉
2001年 多田記念有終会館
2005年 福井新聞大野支社コミュニティーホール
2006年 平成大野屋平蔵
2008年 学びの里「めいりん」
2012年 学びの里「めいりん」

〈コレクション〉
ニューヨーク近代美術館/ プルックリン美術館/フィラデルフィア美術館/神奈川県立近代美術館/町田市立国際版画美術館/南アルプス市立美術館/別府市美循館 他

オープニングでキムラリサブローの実弟である秀夫氏にお話いただきます。

2018年7月29日(日)時間/14:00~
木村秀夫氏ギャラリートーク[キムラリサプロー実弟] @蔵ギャラリー